クローン技術の安全性 6
遺伝子が担っている伝達情報は、大腸菌にとってまったく読み取れないものだからです。
新しい科学は興味深い知見をもたらしました。
これまで乗り越えがたいと思われていた動物と細菌との間の障壁が、実際にはそれほど堅固なものではなかったのです。
たとえば、体内に動物の遺伝子と思われるものをもっている数種の細菌が発見されました。
また、ある種の植物群は、根茎部分に一種のヘモグロビンを含んでいます。
ヘモグロビンは、動物の血液中にあって酸素を運搬する赤い色素です。
未確認ではありますが、これらの植物は何らかの手段で動物からその遺伝子を獲得したのではないかと思える節があります。
このようなことから、ヒトと大腸菌といった生物種間で遺伝子を交換する問題に対するkとして哲学上の憂慮は、こうした現象が悲惨な結末を招かず、また、自然界でも起こりうることが明らかになるにつれて徐々に消えていきました。
おそらく憂いを解消した最も大きなものは、外界に漏出した大腸菌に何が起こるかを実際に調べた、いくつかの研究のやや意外な結果でしょう。